2022年1月9日日曜日

18世紀 Moyen モワイヨン窯 ファイアンスフィーヌ お花のレリーフプレート

 今回はお借りしたお写真から、皆さんがご存知ない窯のお話を。


ポントシューのお皿かと思われた方も多いと思います。

浸透するまで何度も言いますが、皆様がポントシューだと思われているものの殆どがポントシューではありません🙏

ポントシューであろうとなかろうと、美しいものは美しいこともっと知っていただきたいと思っております。 

今回のお皿は、フランス東部、ロレーヌ地方のモワイヨン窯のプレートです。



お花の美しいレリーフですね。
リムのフォルムが特徴的といえば特徴的です。
でも見分けが難しいところです。

非常に見分けがつけにくいのですが、たまたま持っていた本の中から見つけることができました。
本の転写ができませんので、残念ですが。。。

その本にはモワイヨンMoyen窯と書いてありました。


MOYENはリュネビルとランベルヴィレーの間にあり、サンクレモンから近い町です。

リュネビル窯、ランベルヴィレー窯、サンクレモン窯といえば、ポントシューレリーフを真似た美しいファイアンスフィーヌを生産していた窯です。

モワイヨンも例外にもれず、当時の憧れだったお花のレリーフプレートを作っていたのでしょう。

見分け方はお花のレリーフとリムのフォルムですが、これがまた難しいところです。



ところで、実際にポントシューのおのレリーフってどんなレリーフなんでしょうか。

そっちも気になりますね。


とにかく、お花のレリーフはロレーヌ地方のリュネビル、ランベルヴィレー、サンクレモンなどの窯の方が多く見られるようですね。


☆☆☆



MOYEN陶器工場(1765-1782)

モワイヨンには領主のお城がありました。

リュネビルから17kmの場所に位置し、当時のロレーヌ公国であったリュネビル国営窯の税金を払うことを避けるためモワイヨンに陶器工場を建設したようです。

リュネビル窯の食器に似たものが多かったようです。

このお花のレリーフもそれで納得です。

しかしながら窯は繁盛せず1770年の5年後にはすでに衰退、ランベルヴィレー窯に買収され細々1782年まで続いたようですが、1783年に閉鎖してしまった窯です。

その後のフランス革命では多くの食器が壊されてしまったことでしょう。

今残っているものは本当に貴重です🙏


上記のお写真のレリーフはモワイヨン窯の中でもおそらく初期のものでしょう。

後期は鳥の絵付け皿が有名なようです。

一部Wikiより



お写真を貸してくださった方、面白い発見が私もできました。

ありがとうございました。


他の方も、またいろいろお待ちしております❣



ギャルリーイデコ☆イデコ