2021年4月25日日曜日

PONT AUX CHOUX ??? ポントシュー ???

このページにたどり付いた方はポントシュー好きの方だと思いますので、

ポントシュー窯の歴史等々はここでは語りませんが、

18世紀のパリのポントシュー窯のものとして販売されているものの多くがポントシュー窯のものではないについて語ろうと思います。

こちらもご覧ください↓

https://antiquegalerieideco.blogspot.com/p/18-exemple-for-not-pont-aux-choux.html


 Je voulais vous montrer quelques exemplaires de "Fake" Pont aux Choux.

A fin, ce ne sont pas de fake mais ce sont des autres faïencières comme soit Terre de Lorraine ( St Clement, Luneville, Rambervillers, Moyen ou autre ), soit autres pays d'Europe, Angleterre, Allemagne, Italie, Luxembourg a l'epoque.

La plupart des vendeurs y compris experts, appelle "Pont aux Choux" qui ne sont pas de la faience de Pont aux Choux.

Beaucoup de cas... !!!

Cela fabrique la confusion chez les pauvres revendeurs étrangers.

Vraiment beaucoup de cas...!!!

Comme j'aime la faience fine de xviiieme siecle, ca me fait mal au coeur chaque fois que je trouve " fake " a fin, autres faiencieres.


Il n'y a que 3 ou 4 Pont aux Choux dans cette photo

まず上の写真ですでに、ポントシューとはっきり言えるものは3〜4点くらいしかありません。


☆ フランス、ロレーヌ地方のファイアンスフィーヌをポントシュート勘違いしてしまう、または知っているがポントシュート言えば売れるのでポントシューと言ってしまう。


☆ イギリスのクリームウェアをポントシュート勘違いしてしまう、または知っているがポントシュート言えば売れるのでポントシューと言ってしまう。


ふたつのパターンで見てまいりましょう。

☆☆☆


☆ まずはロレーヌ地方のファイアンスフィーヌから

Terre de Lorraine ou Pont aux Choux, mais elles sont tres proche celle de St Clement.

18世紀パリのポントシューかロレーヌ地方サンクレモン窯のお皿。

サンクレモン窯の場合刻印があるものがあるらしいのですが、、、ガイド本では上のお皿たちはサンクレモンのものに非常に近いです。

18世紀フランスでのお花のレリーフ皿のはじまりはパリのポントシューだったのではないでしょうか。

そのほとんどには刻印はなく、だからこそ間違えてしまう方が多いのですね。

ポントシューの真似をして、ほぼ同時期にリュネビル、サンクレモン、ランベルヴィレーなどのロレーヌ地方の窯でアイボリー色の素地に透明の釉薬、お花のレリーフが施された食器(多くはお皿)が生産されました。

ポントシューにそっくりでも、どこかデザインが違います。

見分けがつかないものも多いです。


Gauche : Probablement Pont aux Choux,  A droite : Egalement Pont aux Choux ?

左の米粒レリーフはおそらくポントシューではないかと思いますが、米粒レリーフでも他の窯にも見られるのが更に難しいところです。

お花の方もポントシューでしょうか。


V&A博物館にはポントシューのコレクションもありますが、米粒レリーフがほとんどです。↓

https://collections.vam.ac.uk/search/?q=pont%20aux%20choux&images_exist=true&on_display_at=all&page=1



Gauche : Luneville,  Milieu : Rambervillers, A droite : Moyen ? ou autre sinon tous sont en terre de Lorraine.


左:リュネビル? 中央:ランベルヴィレー? 右:モワヤン?
または逆かもしれませんが、、、


Pont aux Choux

こちらは、18世紀ポントシューで間違いないかと思います。
ただ、米粒レリーフでもポントシューではないものが存在します。



Luneville 
18世紀リュネビル窯



Terre de Lorraine. Luneville ? 

18世紀リュネビルなどのローレーヌ地方の窯。



XVIII eme siecle Rambervillers 

18世紀ランベルヴィレーのお皿。



XIX eme siecle Rambervillers 

19世紀ランベルヴィレーのお皿。


XVIII eme siecle Rambervillers 

18世紀ランベルヴィレーのカップ&ソーサー


XVIII eme siecle Rambervillers 

ポットもおそらくランベルヴィレー窯ではないかと思います。
いずれにしてもパリではなくロレーヌ地方のファイアンスフィーヌになり、
ポントシューではないと思います。


2 Tasses & soucoupes et un pot en relief de Fleurs :  Rambervillers,
Grains du riz : Pont aux Choux
Plate : Boch Frere 

大皿は18世紀終わり-19世紀初期ボッホ・ルクセンブルグ。
米粒レリーフはポントシュー、お花とシードレリーフはランベルヴィレー窯。


Plat oval : Luneville ,  Assiette ronde : a identifier

お皿は似たようないろいろなタイプが有り、判別が難しいです。
左のオーバル皿はリュネビルっぽいですね。
右はポントシューと言われましたが、やはり不明です。



Septfontaine ( Boch Luxembourg )

18世紀終わり−19世紀初期ボッホ・リュクサンブール(セットフォンテーヌ)


Boch Luxembourg ( Boch Freres )

ボッホ・ルクセンブルグまたはボッホ・フレール
18世紀終わり-19世紀初期



Pont aux Choux ou Terre de Lorraine ?

18世紀窯不明です。


Terre de Lorraine. Luneville ou Rambervillers ?

18世紀ロレーヌ地方。
リュネビルやランベルヴィレーでしょうか。


Terre de Laurreine. Luneville selon expert.

18世紀ロレーヌ地方。
書見によるとリュネビル窯。


Faience fine a identifier. Sceaux ?

このお皿、フォルムも個性的で美しいお皿でした。
18世紀フランスで、窯は不明なままです。
ソー窯とか、王室御用達だったには違いありません。

この一つ前のブログでマルセイユ窯のフェイクについて書いています。

18世紀のリュネビル窯のプレートが基になっていますが、お皿自体は18世紀でも19世紀でもなく20世紀のGIENのRocailleシリーズの上に絵付け+釉薬が施さえれています。
ロカイユシリーズは現在でも販売しされているジアンの商品です。

こうしたレプリカは新品ですので、気兼ねなく使っていただけると思います。
アンティーク食器実用できるかどうかが気になる方には、こういったクラシックなデザインで新品を使っていただいたほうがよろしいのでは、と心のなかではいつも思っております。

18世紀のアンティーク食器は、日常使いできません。
ガラスのような透明な輝きを出すのに、鉛の含有率が高くなっていると聞いています。
水分に溶け出した鉛が体内に入ると肝臓を痛めると読んだことがあります。

尊敬の意味も含めて、日常、ではなく特別な日にたまに出して使っていただくのが理想的です。
日常使いできないなら用がない、のではなく、飾って楽しみ、コレクションして楽しみ、特に高価なものを日常使いするのではなく、王族や貴族、ブルジョワ、そして20世紀のコレクターたちが大切に保管してくれていた食器です。
またこれまでの戦争や災害を逃れて生きてきてくれたアンティーク陶器たちへの尊敬の気持ちを、もう少し持ってフランス人コレクターたちのように大切に扱っていただけたら、いいなぁと思っております。


毎日使うものではありません。
流行で終わるような事があってはならないのがアンティークだと思います。
大切な記念日などに、テーブルコーディネートして使ってみてください。
割れても捨てないでください。
せっかくフランスで250年も生きてきてくれたのに、日本でポイ捨てはあり得ません。

また、20世紀初期から工業製品が盛んになると、鉛含有量の少ないもの、またファインスではなくセラミックと位置付けされるものについては、ほぼ日常使いしていただいても大丈夫なのではないかと思います。
アンティークでも1920-30年のアールデコ以降、第二次世界対戦が入りますので、それ以降になるでしょうか、そんな食器が日常使いに向いています。
ただ現代の食器でも、あるお国製の格安の食器は要注意です。
今でも基準以上の鉛を使っている場合があります。(子供のおもちゃなどにもご注意を)


そうでなければ、アンティーク食器の雰囲気を持つ現代作家さんの作品はとっても良いと思います。
日常使いされたい場合は現代作家さんのもの、もしくはジアンのレプリカがお勧めです❣❣❣
本当に🙏

(いえいえ、もちろんたまにしか使わない、きちんとしたコレクターさんが日本にも多いのは知っておりますが❗)

ちょっとお話それました😂


☆ イギリスのクリームウェアをポントシューと勘違いするケース

以下のものはすべて18世紀〜20世紀のイギリスのクリームウェアです。


England Leeds Pottery

18世紀イギリス。


English creamware 

18世紀イギリス。



English creamware 

18世紀イギリス。


Above : Wedgwood,   Left : Probably Leeds,   Right : Staffordshire ? 

18世紀イギリス。


Probably Leeds

18世紀イギリス。


Leeds Pottery 


18世紀イギリス。


English stoneware

18世紀イギリス。




Probably English creamware Leeds ?

18世紀イギリス。


ポントシューではありません。

English creamware 20th century's vintage. 

20世紀イギリス。

18世紀のクリームウェアのレプリカシリーズです。

今は廃盤になっていると思います。

このデザインを見ると、ポントシューはイギリスのクリームウェアの影響を受けたのだろうな、と思います。

イギリスのクリームウェアのように白い食器作りはできないだろうか?

と開発されたのがフランスではクリームウェアとは呼ばず、ファイアンスフィーヌと呼ばれ19世紀初期まで人気となりました。



English creamware 20th century's vintage. 

こちらも20世紀後半のレプリカ。
オープンワークが素敵ですね♪


English creamware 20th century's vintage. 

こちらも20世紀後半のイギリスのレプリカ。
本物のアンティークを手にとって見てみたいです。



English creamware 20th century's vintage. 

20世紀のレプリカ。

クリームウェアのレプリカも人気が出てしまって、イギリスから取り寄せて日本へお送りすすにはお値段が上がりすぎて仕入れできませんが、日常使いにはこうしたレプリカが本当におすすめです。

これなら割れても捨てないで、とは流石に言えません。

現代の食器もそうですよね。

割れたら新しいの購入して、作家さんを助けてあげたほうが良い気がします。

金継ぎで大切にされる気持ちももしろん分かります。


そして、

スウェーデンでもまたぽんとシュー風の米粒レリーフの食器が存在していました。

そっくりでビックリですよ。


☆ テリーヌ容器またはスーピエール

https://www.bukowskis.com/en/auctions/562/744-a-swedish-marieberg-tureen-with-cover-cream-ware-18th-century


☆ シュクリエ

https://www.bukowskis.com/en/auctions/568/816-a-swedish-creamware-sauce-bowl-with-cover-18th-century

ポントシューが基になっていること間違いなし笑。

フランスで素敵な食器が作られている、スウェーデンの皇室御用達でもできないだろうか、という発想でしょうか。



☆☆☆


本当はもっといろんな資料があって、著作権の関係でお見せできないのが残念です。

また日本へ行く際にお見せできる機会があったら良いなと思っています🙏


☆☆☆


☆  ポントシューハンターのイデコとしては、ピンタレストでこんなコーナー作っています。

更新は稀ですが。😂

自分のものあり、ポントシュー、ポントシューではないもの、フェイクのポントシューなどいろいろ載せてます。

驚きなのは、ほとんどがポントシューではない、という事。

オタクなイデコならでは、いろいろ資料集めてみてます。

ここでも謎が溶けると思いますが、私が言いたいのは、気に入ったものであればポントシューであろうとなかろうと関係ないですよね。

ただ私は嘘をついている方からは買おうとは思いませんが。。。


☆ 今までのブログにポントシューのご紹介しております。

https://antiquegalerieideco.blogspot.com/search?q=ポントシュー

18世紀のいろいろなファイアンスフィーヌがでてきますので、ごゆっくりご覧ください。



追記:

また、いつものことですが、私の書いていることや写真を勝手に使用することは禁止されております。

多少文章を変えればいい、とお思いの方も本当にやめてくださいね🙏

イデコも間違えますので。

使用されたい方は必ずご連絡ください。

@grenieridecoのクレジットも忘れずに追加してくださいね。

そうでなければ、とあるところからご請求が行く場合がございますm(_ _)m


追記2:

また、新たに写真が増えましたら追加していこうと思っています♪

間違えている所があれば教えて下さい。

その都度変更してまいります。



Galerie iDeco

オーナー☆イデコ