2019年6月28日金曜日

Boch Luxembourg 1800年前後 ボッホ・ルクセンブルク窯 ポントシュー風レリーフ皿

Boch Luxembourgのガイド本にも、お花のレリーフはポントシュー風のレリーフとして、紹介されているレリーフのプレートです。




パリのポントシューのお花のレリーフが王族や貴族の間で人気だったのでしょう。
ロレーヌ公国では、リュネビルやランベルヴィレー窯、当時のルクセンブルク王国(現代の大公国)のボッホ窯もポントシューと同じレリーフの食器を生産していました。

しかも、フランス人よりものを器用に作る職人さんたちのきっちりさが見られるお品です♪

こちらのプレートは次回グルニエイデコのオンラインショップの更新でお買い求めいただけます。





輪郭のしっかり付いた花形リムに、ミモザみたいなお花と小花がレリーフになって可愛いお品です。






ほほーう。

これ見た時、私はポントシューで間違いないでしょう!って思いました。
イデコも甘かった。(笑)
ポントシュー窯であろうが、他の窯であろうが、18世紀終わり-19世紀初期の貴重なお品であるには違いがなく、またとても美しい事にも違いがありません。

逆にこちらのほうがこぎれいでございます。





4分割したお写真ご覧ください。
特記すべきところはこの後をご覧ください。




このレリーフが一番美しくて、好きなタイプ♪
と密かに思っていました。

エッジがはっきりしています。







では詳細にはいります。




2か所に見られるヒビ①2.5㎝程です。




ヒビ①の裏側。
貫通したヒビです。

その隣に長めの貫入らしきものもありますが、貫通はしていません。






②か所目のヒビ。こちらも2.5㎝程の長さです。





②のヒビの裏側。





表面には浅めのカトラリーのキズやスレ、釉薬のムラがそれぞれ少し見られますが、ツヤツヤです。






表面に素地か釉薬のムラ、そして小さな黒い斑点たち。






裏側です。

先日、ポントシューとボッホの違い、について書き出してみましたが、やはり裏側が平らでエッジがはっきりしていますね。
https://antiquegalerieideco.blogspot.com/2019/06/pont-aux-choux-boch-luxembourg.html


違いと言えば、ここしかないのですが、今回は販売できないお皿の裏にはB.Lボッホ・ルクセンブルグの刻印があり、仕入れ先が同じことからこのお皿もボッホ・ルクセンブルグで間違いないと思います。





裏に釉薬のムラが見られます。

刻印はありません。






裏はムラが広範囲で見られますが、幸い表側はつるっと綺麗です💕






フチにキズが1か所。
小さいですね。

そうでなければフチは大変良い状態です。






先ほど言った表面のカトラリーのキズもほとんど気にならない程度(イデコ的には)です。






貫入が全体に見られます。






黒い斑点。
ポントシューの素地の中にも見られる黒い斑点はなんなのでしょうか。
当時の製作工程でどうしても入ってしまうものなのだろうな、と思います。
表面はツルっとしています。







そして、ポントシューがイギリスのクリームウェアの影響を受けていたのをボッホも同じよに真似して、うっすら黄色っぽい釉薬が掛かって、アイボリー色の仕上がりになっています。






綺麗ですね。

ヒビが2か所ありますが、いただいてくださる方へ♪






くっきり美人さんです。





大切にしてくださる方へ💕




☆☆☆



上記のお品ものは、7月上旬 → 7月中旬にはグルニエイデコのオンラインショップにUPしたいと思っております。
メルマガにご登録いただければ、更新日時をお伝えいたします↓

いつもお待たせしてすみません。
まだまだ紹介したいものがいっぱいあって。。。



また、詳細などはUP後のオンラインショップでお確かめくださいませ。m(__)m



2019年6月26日水曜日

PONT AUX CHOUX と BOCH LUXEMBOURG の違い お花のレリーフプレート

ポントシューレリーフのお皿について、最近発見した事、書き留めておきます。



オーナーのイデコ自信もコレクターです。
ポントシューのレリーフって美しいですよね♪

はじめにお見せするお写真たちは、ポントシューのように見えますが、18世紀終わりー19世紀初期のルクセンブルグの窯BOCHのお皿なんです。

ポントシューである、ない、に関わらず貴重で素晴らしいプレートです。





ミモザ?とお花のレリーフがくっきり美しい。




こちらのお皿は、次回の更新で販売いたします。
こちらには刻印がありません。

プレートタイプの平たいお皿です。





こちらの方もBOCHのもの。
オーナー自身のコレクション用で販売できないものですが、m(__)m、なんと裏に刻印があります。




B.Lの刻印。
BOCH LUXEMBOURGの意味です。

ボッホ・ルクセンブルグと言えば、前身のセットフォンテーヌSeptfontainesの時代もポントシューレリーフの陶器を作っています。

ルクセンブルグ(国)にあったBOCHの窯です。




年代は1787-1813年という事ですから、ポントシューより少し後になるのでしょうね。
 1800年前後のお品ものです。





ポントシューのお花のレリーフもイギリスのクリームウェアが基になったとも書かれていて、ポントシュー以外の窯でも美しいプレートは見られます。

気になるパリのポントシューのお皿ですが、下の写真が、おそらくポントシューではないかと思います。


 


とは言え、ポントシューでもこの柄のお花レリーフだけではなく他のタイプのレリーフの陶器を作っていた、もしくは、他の窯の可能性も捨てきれません。

刻印がない事と資料が少ない事、ポントシューの刻印が入っているものは滅多にないから判断が大変難しいのです。

BOCHの場合はVilleroy & Bochとして今でも存続している窯がありますので、資料が残っています。
 



今は無い窯、だからポントシューは貴重なのだと思います。


 


裏を見ていただくと、脚は付いておらず、少し丸みを帯びた形であることが分かります。

これがBOCHとの違いです。

 


そして、同じレリーフのこのお皿。

下の写真がそうかも知れないと思うのですが、サン・クレモン窯。

 STCの刻印が入っていると書いてあります。(裏の写真は載っていませんでした)





というか、まったく同じように見えますよね。(笑)

写真で比べて、なんとなく違うといえば違うかもしれない程度の違いです。
こちらはサンクレモンのような気がいたします。

でも、刻印がなくやはり判断が難しい所です。

 


やっぱり難しい!
ポントシューかセットフォンテーヌかもしれないですし、本当に難しいです。


 



裏はつるんと丸みを帯びています。

こちらは2枚とも大分前に販売済みのお品です。

とっても気になるフランス人バイヤーたちの事、皆さまにも気を付けていただきたい。
最近インスタでも商品を販売したり、フランスのeBayなどでもポントシューと称して違う窯の陶器を販売しているフランス人が多すぎます。

イギリスのクリームウェアなのに、ポントシュー。
ランジェ窯のものなのに、ポントシュー。
その他見分けが難しい、セットフォンテーヌ、ソー、いろいろ含めて分からなければ全部ポントシューと言ってしまう。
そう言えば売れるから。

本当それ辞めてほしいんですけど、明らかにクレイユかショワジーのものをポントシューとおっしゃっている方がいたので、ポントシューじゃありませんよね、って質問すれば、「どうしてそんな事聞くのか?」って帰ってくる。(+o+)
違うと知っていて、ポントシューと言って販売しているフランス人が多いので直接フランス人から買われる際は、ご注意ください。
しかもフランス人から送られるものは破損して届く可能性大ですので、ご覚悟を。

これ、フランス語で書きたいところですが、ほぼ見て見ぬふりしております。
でもたまにポントシューと言ってインスタに載せていらっしゃる日本人の方のお写真に出くわしてしまうと、本当に残念。
こちらが悲しくなります。
フランス人業者いえ、本当に見分けは難しいので鑑定士でもイギリスのクリームウェアをポントシューとか言っておりますので、知ってか知らずか分かりませんけど。(T_T)
ほーんとに悲しい。

皆さまにはきちんとお伝えしたい、と思うイデコでございました。
そして、素敵なのはポントシューだけではありません!


次回の更新では珍しいBOCHのお花のレリーフ皿をご紹介します♪