今日はちょっと、ムスティエとトゥールーズの窯のお話を。
南仏の赤土にぽってり白釉、指で形がつけられたフリルのようなリムはムスティエを思わせますよね。おそらくですが、2枚ともトゥールーズ窯のものになるのではないかと思います。
トゥールーズ窯と言っても、ムスティエから分岐した陶芸家が開いた窯です。
だからムスティエと同じ作り、似ているものが多いんです。
今回は2枚グルニエイデコのオンラインショプで販売する予定です。まずは写真左側の詳細から。
お話最後の方に載せますので、まずはお写真ご覧ください。
トゥールーズ窯のものでムスティエのように裏にバッテン(X)サインが入っているものがあります。
しばしばブルーのサインだったりします。
同じ職人さんだから、ムスティエみたくなるのは当然といえば当然。ムスティエだと思う方は多いです。
そんな私も昔はムスティエだと思っていました。
もしくは、18世紀のムスティエのお皿で、この柄が存在するのかもしれません。
よく見れば、ドットのように見えているものは、虫だったり笑
色が潰れていなくて繊細です。
これを見ると、ポーセリンのシャンティイ窯を思わせます。
すずらん?これ、ほんっと素敵です。
シャンティイの職人さんだから、かな?
訳わからない方も多いと思いますが、最後にまとめて説明したいと思います。
きっとサインがあるものもあるでしょう。
ブルーのバッテンマークで。
カップ&ソーサー。
フランスですので、デミタスサイズのカップとソーサーになります。
ソーサーに深さがついているのは18世紀のコーヒーがトルコ式コーヒーで下の方に粉が沈んでいるので、それを避けるためと、猫舌のフランス人には冷まして飲む習慣があり、カップの中のコーヒーをソーサーに移し替えて飲むのが主流だったようです。
だけど、ソーサーから飲むのは飲みづらいだろうし、カップから注ぐ際に溢れるでしょうし、周りを汚しながら飲む飲み物だったんでしょうかね?
しかも貴重だったでしょうから、こぼれたらもったいない!
絵付けも繊細です。
ぽってり陶器の南仏だとおおらかな作りが多いですが、絵付けだけは繊細ですね。
それにしても18世紀のものと考えれば大変良い状態。残っていてくれるだけありがたいです。
これは謎です。
でもシャンティイの職人さんだったら、その方のサインかもしれない?
ソーサーにはサインは入っていません。
ですよね。
本当はガイド本勝手に載せてはいけないのでしょうけど💦(そのうち削除するかもしれません)
Midi地方の陶器の本です。
この本ではトゥルーズ窯のものとして紹介されています。
そして、この柄ブランディーユ(小枝に咲くお花)は、18世紀のシャンティイ窯で有名な柄です。
シャンティイ城のコンデ公の為のポーセーリン窯だったシャンティイ。
ブランディーユの絵付け柄は、18世紀ベルギーのBOCHでも、フランス北部のポーセリン窯アラスにも、ファイアンス窯のトゥールーズにも見られます。他にもまだあるかもしれません。
例えば、ポントシューが憧れの的になった18世紀中頃〜後半にポントシュー風のレリーフ食器がヨーロッパ中のいろいろな窯で作られたのと同じで、ブランディーユの絵付けも流行の柄だった事でしょう。
そして、ムスティエの陶芸家だったフークは、政治的な理由でムスティエを逃れてトゥールーズに到着します。(フリーメイソンの会員だったと聞いてます)
その後、逃れたちトゥールーズで陶芸活動を再開したとのことです。(フリーメイソンとしての活動もできたようです)
という事でトゥールーズ窯はフークのムスティエが基になっています。
その上、シャンティイから来た職人たちが絵付けをしていたとしたら、なんて素晴らしい💖
ちょっと私の日本語変ですけど、ぽってり無骨な南仏のお皿にシャンティイの絵付けってすごくないですか?
確かに、シャンティイの職人さんたちが本当に来ていたとしてもずっと働いていたわけではないでしょう。
それはそれで素敵なのでしょうけど、絵付けの柄が荒いものもしばしば見かけますので、そういうのは南仏の職人さんかな、って思います。
今回のお皿2点とカップ&ソーサーは、短い間の繊細な絵付けのお品になると思います。
☆☆☆
上記のお品ものたちはまもなくグルニエイデコのオンラインショップでお目にかかれます💖
オーナー☆イデコ
https://grenierideco.com