枯れた雰囲気がアンティークらしくて素敵な、クレイユのヴァスクのご紹介です。
これとおそらくピシェ(水差し)がセットで使われていたのでしょう。
当時はまだ工業用の陶器製食器の開発が進んでおらず、陶器の生産では先を行っていたイギリスの技術をもとに手探りで食器を生産していました。
このヴァスクは39.2x25.7cm、高さ10.5cmと大きめですが、大きさの割に軽い印象です。
素地にテールドピープというモントロー近辺で採掘されていた、タバコ用のパイプに使われていた白い素地を使用しています。
また釉薬の上からプリントが施されているため、強くこすると柄が擦れて薄くなってしまうという欠点がありました。
イギリスでは同年代ではそのような事は見られないのに、フランスの陶器生産技術の遅れは明らかだったと思います。
おそらく水差しをおいたりするたびに擦れたのでしょう。
上の写真では3ヶ所。
CREILの刻印が端っこに。
反対側の脚裏にアクシデントによって出来た脚に沿ったライン。
表には貫通していません。
経営者がストーン、コクレル&ルグロ時代のクレイユです。
当時の経営者のイニシャルS,C,Lが重なったモノグラムのロゴです。
ファイアンスの上にプリントが出来るだけでも革命だったことでしょう。
特許申請済みとの記載も見られます。
プリントの上に釉薬を掛けられるようになるのもほんの10年くらいのうちには叶います。
大変珍しく短い期間の技術が見られるクレイユのお品です。
舟形って美しいですね♪
サルグミンヌのピシェを入れてみました。
深さもあり、水も沢山入れられたようですね。
水道のない時代の産物です。
こういう歴史的オブジェこそ、割れても捨てないでほしいなぁと心ながらに思っております🙏
☆☆☆
以上のお品ものはまもなくグルニエイデコのオンラインショップで販売いたします♪
どうぞお楽しみに❣
オーナー☆イデコ