2020年10月22日木曜日

CREIL クレイユ 19世紀初期 グリザイユ 舟形ヴァスク

枯れた雰囲気がアンティークらしくて素敵な、クレイユのヴァスクのご紹介です。




大きめの容器は水受け用のヴァスクと呼ばれるものです。

これとおそらくピシェ(水差し)がセットで使われていたのでしょう。

まだ水道が普及する前の貴重なお品です。



田舎の風景と、ローマ建築やゴシック建築のようなモニュメントが混ざった柄です。








クレイユ初期のもので1807-1820年頃のものです。

当時はまだ工業用の陶器製食器の開発が進んでおらず、陶器の生産では先を行っていたイギリスの技術をもとに手探りで食器を生産していました。

このヴァスクは39.2x25.7cm、高さ10.5cmと大きめですが、大きさの割に軽い印象です。
素地にテールドピープというモントロー近辺で採掘されていた、タバコ用のパイプに使われていた白い素地を使用しています。

また釉薬の上からプリントが施されているため、強くこすると柄が擦れて薄くなってしまうという欠点がありました。

イギリスでは同年代ではそのような事は見られないのに、フランスの陶器生産技術の遅れは明らかだったと思います。



そのおかげで、このヴァスクの内側もかなり薄れています。

おそらく水差しをおいたりするたびに擦れたのでしょう。



底にも柄があったようですが。笑



内側の様子です。




フチには合計4ヶ所のチップ。

上の写真では3ヶ所。



こちらに4ヶ所目。



別の角は擦れて釉薬の削げ。





内側底は擦れてマットな状態になっています。




キズに小さなシミ、



フチのシミ。




4cmほどの貫通したヒビが1ヶ所。





ヒビを外側から見たところ。




柄の詳細。




柄の詳細。




柄の詳細。




柄の詳細。




柄の詳細。




柄の詳細。
ローマ遺跡。



この舟形が素敵です♪




脚裏にチップが見られます。

CREILの刻印が端っこに。




反対側の脚裏にアクシデントによって出来た脚に沿ったライン。

表には貫通していません。




経営者がストーン、コクレル&ルグロ時代のクレイユです。
当時の経営者のイニシャルS,C,Lが重なったモノグラムのロゴです。

ファイアンスの上にプリントが出来るだけでも革命だったことでしょう。

特許申請済みとの記載も見られます。

プリントの上に釉薬を掛けられるようになるのもほんの10年くらいのうちには叶います。

大変珍しく短い期間の技術が見られるクレイユのお品です。




舟形って美しいですね♪



サルグミンヌのピシェを入れてみました。

深さもあり、水も沢山入れられたようですね。

水道のない時代の産物です。


こういう歴史的オブジェこそ、割れても捨てないでほしいなぁと心ながらに思っております🙏


☆☆☆


以上のお品ものはまもなくグルニエイデコのオンラインショップで販売いたします♪


どうぞお楽しみに❣



クレイユエモントロー

オーナー☆イデコ