2017年8月30日水曜日

18世紀 ムスティエ窯 FERRAT グリーンの鳥の絵付け皿 2点

南仏のムスティエ窯の歴史は古く、イタリア陶器の影響で16世紀には既に陶器づくりが始まっていました。

17世紀になるとルイ14世が戦争の為に必要な鋼鉄類、食器では銀やピューターの使用を禁止し、このころからフランスでも本格的に陶器製の食器が現われます。

フランスでのムスティエ陶器というとブルーカマイユ(ブルーの濃淡)ベラン文様や、奇妙な人物像の描かれたグロテスク柄、お花や鳥の柄が描かれたものが有名または人気で、真っ白いものは日本の流行と言えると思います。

今日は真っ白ではなく、グリーンの色がきれいな絵付け皿のご紹介です♪



いっぱいお皿が写っていますが、今回のお皿は鳥の絵が描かれているもの2点。

左上の緑釉のバルボティーヌはアプト窯のコンポティエ。
小さいお皿はムスティエのものですが、典型的なムスティエらしい色とグロテスク柄の人物像がない、グロテスク柄はちょっと。。。(私もちょっと。。。です)とおっしゃる方でも入りやすいかと思います。

いずれもグルニエイデコのオンラインショップの方で、間もなくご紹介いたします。


 18世紀のムスティエ窯フェラ兄弟の絵付け皿です。
18世紀とさらりと言っても、220年ほどは経っていると思います。
大変貴重な、そしてあえて言えば状態のよいお品になります。

2点あります。



このヒラヒラとしたフリルのような素敵なレリーフは手作業で作っていった様子がうかがえますね。
均等でないところが美しい。。。

柄は木に止まっている鳥とリムにお花たち、そして気まぐれに虫などが配置されています。



下の方にカケがあります。



マルセイユ窯も大変古く高価なお値段が付けられています。
はじめマルセイユ窯のものかな?と思ったのですが、裏を見てグリーンの印がないのでムスティエと判断しました。

FERRATのサインも入っていませんが、鮮やかなグリーンで繊細に描かれた作風でフェラのものだと分かります。


上に出てきた小さなお皿のカーキ色のようなくすんだグリーンがムスティエらしいと言えばムスティエらしいのですが、この鮮やかできれいなグリーンを使った柄もあるんです。

素直に、綺麗と思える難しい事のないムスティエの絵付け皿ですよ♪


裏の様子にも貫禄がありますね。


 サイドの様子。


かなり状態が良いのですが、やはり、ありました。

 貫通したヒビが。
5㎝程のヒビです。

18世紀のお皿のこの程度のヒビは、本当に良い状態と言えるんですよ。
パカーンとほぼふたつに割れて修理されたお皿でもフランスのブロカント、アンティークショップなどでは結構なお値段で売っていたりします。

ですので、5㎝程度は本当に軽いもの。


 でも薄くて分かりにくいですね。
金継などしてくださるといいなぁなんて思っています。



柄のアップ。

なんともほのぼのした雰囲気の鳥が描かれています。
黒いペンで書かれたような輪郭もフェラの特徴です。



擦れが少し見られますね。

しかし、この木は何の気なんでしょうか。

面白い。

鳥もなんの鳥?

キジバト???💕
なーんて。



柄のアップ。
右の方にはさっきお伝えした5㎝ほどの貫通したヒビが見えています。
でも、手書きの素敵なお花も見てくださいね♪



葉っぱが気まぐれのように、ちょこんと不思議な場所に描かれています。(笑)
でも18世紀の柄の特徴からいうと葉っぱではなく虫かもしれません。



釉薬の削げ。

グリーンの濃淡も水彩画の緑のように美しいです。


 ここまでが1枚目。

☆☆☆

ここから下のはすべて2枚目のお皿の写真になります。
2枚目の方が状態はよろしいです。




釉薬の削げなど。

 釉薬の削げなど。

ありますが、



2枚目はヒビがなく、フチに小さなカケと釉薬の削げがあるのみです。

美しいですよ♪



釉薬の削げ。

 釉薬の削げ。



柄のアップ。

やはりひょうきんな鳥ちゃんが木に止まっています。

は!
書きながら今気が付きましたが、鳥の足の下にあるのはリンゴ???

 1枚目にもありますね、リンゴ。

可愛い~~~(笑)



キジバトにしか見えないオーナーでございます。







葉っぱか虫か、葉っぱでしょうかね。
先ほど気まぐれにと言いましたが、この上の写真には葉っぱが描かれている場所に釉薬のムラでできた小さな穴があるんです。
それを隠すかのように上から葉っぱが描かれています。(笑)

なにもかもがお茶目ですね。
あはは~。。。

以前にご紹介した珍しいポントシューの色付きのお皿にもありました。
虫。
http://galeriesideco.blogspot.fr/2015/04/1826.html

やはり釉薬の盛り上がっているところを隠すかのように描かれています。 



柄の詳細。

 柄の詳細。

こいういうシュッとしたラインは、簡単に描けそうですがなかなか描けないのが事実です。
 フェラ兄弟も自信満々だった事でしょうね。

細かなラインが素敵です♪



グリーンの色もラインからあまりはみ出さずに描かれているところを見ると、かなり集中して描いた結果なんでしょうね。

良く色を出すのが難しい事を聞くのですが、こんなきれいなグリーンが出せていて、220年後の今でも色が褪せていないのってすごいなと思います。

何年も前に行ったムスティエの工房にいた職人さんが「出来上がりの色は予想できなくて、焼いてみないと分からない。でもそこが面白い」と話してくれました。

なるほど~。。。

他のフェラのグリーンもほぼすべて同じ色なんですけど、きっと失敗したものもあるんでしょうね。




 趣のある裏の顔。



ぽってり白い釉薬が素敵です。



下地もほんの少し透けて、南仏の温かみのある土の色が見えています。



どこから見ても趣のある。

柄も興味深い、

素敵なムスティエのお皿です♪






完売しております。

MERCI♡♡♡

オーナー☆イデコ