18世紀ランベルヴィレー窯のコーヒーポットのご紹介です。
ポントシュー同様に18世紀の貴重なお品です。
こちらのページをご覧の方は19世紀のランベルヴィレー窯のデザート皿をご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、18世紀のものは19世紀の洗練された作りとは違い、作りに人間らしさが残るとても愛着のある素敵なポットです♪
だからこそ貴重な逸品なのです。
はじめに申しておきますが、蓋にダメージが見られます。
蓋はつまみの部分が取れて、接着された跡があり、蓋自体も二つに割れたところをパテみたいなものでつけてあるようです。
この上から塗装がしてあり、かなり昔の修復方法だったのではないかと思いますが、塗装は色が変色して目立つようでしたので剥がしておきました。
パテは紙粘土のようなものに見え、比較的簡単に取れそうな気がします。
輸送にはこのままの方が安定が良いので残しておくことにしました。
陶器の修理専門家さんにパテの部分を取り除いていただき、金継ぎや銀継ぎ、つなぎ目が目立たない共継ぎなどをお願いされると良いと思います。
また、本体の脚にカケが1か所見られます。
これから細かく見て参りましょう♪
ポントシューと同じくらいの年代になると思いますが、この当時はイギリスのクリームウェアを模範にしたこのような陶器が王族や貴族などの為に作られていました。
ランベルヴィレー窯では、お花のレリーフに加え4分割または8分割されたように見えるレリーフがあるのが特徴的です。
場所柄ロレーヌ地方の貴族などの為に作られていたのではないでしょうか。
ポット自体が大変価値のあるもので、とても数の少ないお品となっています。
脚にカケが1か所あります。
蓋の事はありますが、本体は18世紀のものにしては状態が良く表面もツヤツヤです。
注ぎ口にも大きなダメージは見られません。
後ろから見たところ、取っ手が手前に来ています。
詳細はここから、
蓋を真上から見たいますが、輝きがなくレリーフがべったりしている箇所がパテが塗られている部分で、触るとカサカサとした感触です。
色の差はほとんどなく、遠目で見る分には分かりにくいかもしれません。
根元に接着剤の跡。
こちらは見て分かりますので、つなぎ目を綺麗にしていただくと良いと思います。
蓋のつまみの上に擦れ。
別の側から見たところ。
蓋の裏です。
地とパテの色に差がないので分かりにくいですが、黒っぽく見えている部分がライン状につながっていて、割れ目となっています。
真ん中から二つに割れたように見えます。
パテの部分は取り除いてもらって、金継または継ぎ目の目立たない共継ぎなどで修理してもらうと良いでしょう。
注ぎ口部分。
釉薬の削げが少し見られます。
注ぎ口を裏から見たところ。
注ぎ口横から。
釉薬の削げが見られます。
こちらから見るととても綺麗です。
レリーフの盛り上がり部分に釉薬の削げ、
持ち手も破損なく、
キズや釉薬の削げなどは見られますが、
保存状態が良い方ではないかと思います。
持ち手上の釉薬の削げ。
口径部分は綺麗です。
横に一部釉薬の削げなどが見られます。
そして、内側も大変綺麗な状態です。
ほとんど使われていなかったのではないでしょうか。
表からは見られませんので貫通していないと思います。
また一部にシミが少し見られます。
表面はツヤツヤです。
濾過部分は3つの穴です。
なんだかとてもシンプルですね。(笑)
コーヒーポットの大きさ的にも1人か2人用くらいだと思いますので、穴が3つでも足りるのでしょうかね。
そして、側面のレリーフの詳細。
4面ありますが、それぞれにお花のデザインが微妙に違うんですよ!
見比べてみてくださいね♪
お花の種類が違うというか、まったく違うデザインではないのでとてもしっくりしていて、それでいてデザインの違うところがとても気の利いている作りです。
レリーフの盛り上がった部分に釉薬の削げが少し。
持ち手の裏に黒く見えているのは製造時にできたキズです。
釉薬の削げが出っ張った部分に見られます。
こちらも黒っぽく見えているのは釉薬の削げた部分です。
裏。
普通に擦れて黒ずんでいる箇所は見られますが、奇跡的に裏まで綺麗です。
脚にはカケが1か所見られます。
蓋なしではこのような感じになります。
手前側のフチの横側に釉薬の削げが一部見られます。
それにしてもフチはとても良い状態だと思います♪
蓋を乗せて、もう一度見てみましょう。
カケの見える側。
色の具合はほぼ同じ、修理をされた方が良いとは思いますが、しばらくこの飾っておいてもいいかもしれませんね。
蓋のダメージ。
レリーフはお花のブーケとドットの部分はどうやら種の様なんですよね。
種ならなんとなく分かる気がします。
ポントシューにも米粒レリーフもあるくらいですものね。
先日ご紹介させていただいたランベルヴィレーのカップとソーサーと同じシリーズ(シリーズと言うか)同じセットなんですね。
ランベルヴィレーのカップも残り1個になりました。
18世紀のものですので、実用向きとは言えませんが、宜しければご覧になって見てくださいね♪
http://ideco.ocnk.net/product/4946
ランベルヴィレー窯18世紀のお花のレリーフカップ
お値段のお話になりますが、18世紀の陶器となるとかなりお高いもの、とご存知の方も増えてきていると思います。
でも、うちはまだ良心的だな、と思うんですよ。
と言うのも同じタイプのカップ&ソーサーを10倍ものお値段で販売しているアメリカの業者さんを見つけてしまいましたので。((+_+))
正直、18世紀の陶器をご紹介させていただいて、高いと思われる方の方が多いのではないかと思いますが、うちのほうにも利益が少なく好きでないとやっていられません、状態なのです。
今のところ在庫がまだありすべて販売していないので、自分のコレクションにもなってはいますが、元は取れていないのが事実です。(;´∀`)
今ならこのお値段ですけど、修復さえすればそのうち少なくとも2倍のお値段にはなると思います。
もう一度柄の詳細を。
細かなところまで陰影が美しく、葉っぱの感じ、お花の花びらの様子が素敵なの見ていただけますでしょうか。
釉薬の削げの詳細。
もちろん、こんなにアップにしておりますので実物はもっと小さな削げですし、ここまで見せなくてもいいのかなとも思ったのですが、(何が言いたいんだ)たくさんお写真があった方が雰囲気的にも伝わりやすいかもしれないと思ってできるだけ載せています。
☆☆☆
オーナー☆イデコ