2025年7月8日火曜日

幻の窯ブザンソンのALLIOUDとドーブのMIGETTE

ブザンソンもドーブもフランスの地方の名前ですが、いずれもフランシュ・コンテ地方になると思います。

ロレーヌ地方よりも地図で言えば下の方にあたります。

久々にいろいろな事が繋がってきて、解明して面白かったです。

幻の窯なので、見つかった時に仕入れておかないと、2度と会えないです。

以前にご紹介した星のようなフォルムのお皿、また仕入れたいな、自分でもほしいなと思っても、2度と出会えていません。

https://antiquegalerieideco.blogspot.com/2018/01/allioud-besancon-19.html 


1枚だけデュルフィ窯のオーバル皿が入っていますが、それ以外はフランシュ・コンテ地方のお皿です。


2枚のオクトゴナルデザート皿は、ブザンソンの窯のALLLIOUDというファクトリーで作られたものです。
はい、エトワール形のお皿のときにも言っていましたが、不器用な作りです。
でもそれが可愛い。

一応リムにパール装飾が施されていますが、潰れていて殆どはっきり見えませんw


2枚同じタイプがあります。
この2枚は、テラコッタ素地に白い釉薬がぽってりかかっています。
下地の赤土が透けて温かみのある白です。


大きさはこのような感じです。
クレイユエモントローのフローラシリーズ、ミュゲは一般的なデザート皿のサイズでしたから、少し小さめでしょうか。

1823−1845年の間にしか存在しなかった窯のようです。
(裏に貼ってあったシールに書いてありました)
小さな窯だったのではないでしょうか。
当時のクレイユエモントローやボルドー窯の技術や生産数には到底追いつく事はできなかったでしょう。
それにしても23年間続いたものすごい事だとも思います。

そして次にご紹介するのは、ドーブの窯MIGETTE。
これも大変珍しいもので、刻印の入ったMUGETTEのお品は初めて見ました。

リムにはパール装飾はなくキリッとかっこいい感じです。
MIGETTE窯は18世紀終わり頃からドーブ県にあったMIGETTE修道院での陶器作りが始まりで、ファイアンスフィーヌの窯らしく19世紀初期までは続いていたようです。
フランス革命後修道院が国に没収されると、陶器の生産も難しくなり、その後はナンス・ス・サンタンヌ窯が引き継ぎます。
その後まで言うと、MIGETTE → Nans sous Sainte Anne → SALINSと続きます。
間違えていたらすみません。
私のフランス語力ですので、間違えているかもしれません。


それで、このMIGETTE窯は、18世紀終わりのイギリスのクリームウェアに近づけようとしていたのか、白いカオリンの素地に透明釉薬、この透明釉薬に緑がかった顔料が含まれていたのではないかと思います。
少しクリーム色っぽく見せるためではないかと思いますが。

これが19世紀のクレイユエモントローなどの窯になるともっと白く見せたい、ということで青っぽい顔料が透明釉薬に含まれるようになったのではないでしょうか。
すべて個人的な憶測です。

MIGETTEの刻印が入ったこのお皿、大変貴重です。
フランスでもいろいろな方がいらしゃって、研究している専門家の方、コレクターの方、アソシエーションの方、実際見てしまったことあるのですが、まるで自分が見つけたことのように発表されていたりするので、裏の写真は載せませんw


ALLIOUDの方ですが、お花の絵付けまであったんですね。

やはりテラコッタに白釉でファイアンスフィーヌではなくファイアンスの域です。
これも2度と出会えないであろうお品です。

そして、最後に、

いちごの白いバルボティーヌプレート。
なんだか、美しいですよね。

SALINS窯のものですので20世紀入ってからのものだと思いますが、さすがMIGETTE、NANSときてサラン窯もセンスが良い理由が分かります。
20世紀後半のサラン窯はキッチュでカラフルなイメージがありますが、20世紀初期くらいだと美しいラインの食器も生産していた理由が分かりました。
由緒あるからなんですね。

なかなか奥深いフランシュ・コンテ地方の窯でした。

以上は全てグルニエイデコのオンラインショップで販売予定です。

更新日まで少々お待ち下さい♪

グルニエイデコのオンラインショップ





2025年7月2日水曜日

ポントシューのブランディーユ絵付けプレート

 以前にご紹介したものの訂正になります。

以前ルクセンブルグのセットフォンテーヌ窯(BOCH)としてご紹介していたブランディーユ絵付けプレートたちですが、3月にパリのファイアンスフィーヌコレクターさん宅へ訪れた際に、このブランディーユ柄はポントシューのものだと発表された資料を見せてもらいました。

ブランディーユ柄はシャンティイ窯が有名で、シャンティイの技術者がフランス各地に絵付けを伝授して回っていたのは知っていましたが、このポントシューのブランディーユ柄はそれらのブランディーユ柄と少し違います。

羽のような絵付けだったり、お花がはっきり分からない柄です。
そうそう、ブランディーユとはお花のついた小枝の意味だと思いますが、小花が枝に付いている絵付けが主流だったと思います。

そう言われてみれば、レリーフも素敵ですよね(今更w)

いえ、セットフォンテーヌも素敵なんですよ。

ロココ風なメダイヨンの中に描かれた小枝か羽。


1枚だけ在庫あります。

花リムのプレーンなタイプのプレート、こちらもポントシューです。

お花が判りますね♪


こちらも在庫が1枚残っています。
フランスのものではないから購入されなかった方も、状態もよろしいですので、ぜひ今一度ご覧いただけたらと思います。


こちらのドラジョワーと呼ばれるタイプのドラジェやお菓子をいれるための深さのある器、cこちらもポントシューです。
こちらは売り切れています。





まだまだ謎が多いファイアンスフィーヌの世界ですが、引き続き良い研究を期待しております。

資料お見せできないのは残念ですが、コピー禁止ですので仕方ありません。
こちらに載せている写真も勝手にご使用なさらないようお願いします。
ブログのURLを拡散、または宣伝してくださるのは大歓迎です。

2024年11月25日月曜日

ムスティエやアプト窯の南仏陶器たち

次回の更新でもムスティエのオーバル皿をご用意しております。

ムスティエのオーバル皿は、なかなか手に入りにくくなってきています。
大きなプレートは梱包が心配なので、もうやめたいのですが、日本では需要がなくなってきていてもアメリカ、オーストラリアなどが今南仏陶器ブームのようで、しかも大きなものが人気あります💦
ですのでまだしばらく続けようと思っています♪


こちらは18世紀のムスティエの鳥の絵付け皿です。

18世紀の一般点的な絵付け皿のサイズで直径23cm程です。

葉っぱの茂った細い枝にとまる細長い鳥が特徴的です。

2羽の見る先には、虫が飛んでいます。


ムスティエ以外の可能性もあるのかなと思いましたが、裏にXサインがあるのを見ると、ムスティエで良いのだなと思います。


白いオーバル皿は、大きさもフォルムも違ったものを2枚ご用意しています。


優しいフォルムの雲のようなオーバル皿、19世紀のもののようです。

(まだ今の時点では調べていません🙏)


しっかりしたフォルムはおそらく18世紀のムスティエ。

白いぽってり白釉が素敵です。


こちらは、ムスティエか南西のミディ地方のオーバル皿です。


リムに描かれた青い模様が素敵ですね♪


そして、最後はアプト窯の水切り。


優しい黄色がアプトらしい水切りです。


艶もよく綺麗ですが、1箇所ラインが見られます。


水切りがこのようなような良い状態なのは、珍しい、というより持ち手付きの水切りは大変めずらしいです!



以上気になるお品ものはありましたでしょうか。

詳細はUP後のオンラインショップでご覧ください。

メルマガは数日以内に配信できそうです❣


引き続き。。。

不安定な世界情勢のために、航空便に遅れが出ることがまだあるかもしれません。

今のところ、フランスから発送して2週間で到着しておりますが、

商品が到着するまでに1ヶ月、またはそれ以上かかってしまう場合も出てきてしまうかもしれません。

お急ぎの方はパスされてください🙏


それでも構わないとおっしゃっていただける方に、お買い上げいただければと思います。m(_ _)m

よろしくお願いいたします😊

どうぞお楽しみに❣


グルニエイデコのオンラインショップ

https://grenierideco.com


2024年10月23日水曜日

イタリア18世紀のスーピエール、ムスティエ、アスパラ皿など♪

 次回更新予定のお品ものです。

最近、こういった18世紀の白釉陶器は日本ではなくアメリカオーストラリアの方に人気があります。

大きいからなのか、日本ではもう十分に皆さんのところに行き渡っているからなのか、それとも流行なのか分かりませんが、売れなかったらすぐ海外の方向けのサイトに載せる予定ですw

この雰囲気はやっぱり個人的に好きです。
実用かつ新品みたいなアンティークを求めている日本または近隣諸国の方には、興味がないかもしれませんが、多くの海外の方も翻訳機使いながら見ていただいているようですので、きちんと書いていきたいと思います!

早速そう言ったものの、なぜか写真をいっぺんにダウンロードすると逆の順番で表示されてしまうのですがw
この順番直しているのがとっても時間がかかりますので、このままでご紹介してまいります🙏

1番のおすすめは、一番最後になってしまった18世紀イタリアのスーピエールです。
最後までご覧ください♪

キュノワールのオーバルプレートです。

裏のキュが、黒に近く綺麗な焦茶色です。

昔のヒビの修理法アグラフの跡が見られます。
これ、結構頑丈なんですよね。
実用には向かないと思いますが、簡単に割れはしないと思います。


どうやって、このようなホチキスみたいな止め方ができるのか、気になるところです。

フランス北部らしく、白釉の部分も寒色系で、お花の絵付けとリムの飾りに描かれた模様も渋いお色です。

撮影やディスプレイなどに絵になるお品です。


続いては南仏陶器の黄釉が素敵なアプト窯のお品です。
ツルツルたまごのようなお皿、
ラインが入っています。
アプトのプレートはなぜか仕入れ値も高いのですが、ライン入っていても貴重だとは思います。




アプトのアンティークも年々手に入りにくくなっています。

こちらは、見ての通りのムスティエの大型プレートです。

大きなものは、もうそろそろやめたいと思いながら、あると仕入れてしまう。
病気ですね。
アンティーク病w


バッテンのサインも入っています。

ぽってり

ぽってり

下地の赤土(テラコッタ)が透けて温かみのある白になっています。


そして、白釉のアスパラ皿!
アスパラ皿はとってもフランスらしいですが、いつ頃のものなのかは不明です。
でもこのぽってり白釉とこの無骨な作りといい、結構古いのではないでしょうか。

状態はイマイチですが、気に入ってくださる方へ。
なかなかない、というか初めて見た白釉のアスパラプレートです。

ぽってり素敵です。


18世紀のムスティエのデザートカップ。
ポアクレーム。

なかなか良い状態だと思いませんか。


蓋が付いています。
色合いがちょっと違うのは、作り手が一緒の職人ではない可能性があること、蓋は蓋だけの窯、本体は本体で別々に焼かれているかもしれないことなどが想像でき、よくあることなのですが、
気になさらない方へ。


蓋にチップありますが、古いものとしては保存状態がよろしいです。

そして、テラコッタに白釉のジャムポット。

こちらは大変状態が良いです。


大きめのスーピエール。
素敵なレリーフ装飾です。

蓋にはお花と果物、

持ち手のレリーフがまた素敵です。
こんなに平らな持ち手ですが、意外とあると引っ掛かりがあって持ちやすいw
さすがだなと思います。

18世紀イタリアのマルケ地方のものと聞いています。
イタリア人の業者さんから仕入れていますので、間違いはないのでしょう。
この静物画みたいな装飾といい、サイドのレリーフといい、とても古典的なイタリアの装飾だなと思います。


持ち手のアップも素敵なのでご覧ください。


詳細はオンラインショップでご覧いただきたいと思います。
ラインやチップなど18世紀の陶器ならではの風化が見られます。


こんなに美しい佇まいは滅多にないと思います。

レリーフ素敵ですよね!

まもなく更新予定です。

どうぞお楽しみに💓


詳細はUP後のオンラインショップでご覧くださいませ🙏




☆☆☆





※ 今までも一部刻印などの写真には付けていましたが、今後ほぼ全部の写真に@grenieridecoの文字が入ります。
透明な文字ですが、多少写真が見ずらいことがあると思います。
詐欺サイトが増えてきており、うちの写真も勝手に使われているのを見てしまったりしていますので、犯罪防止の為ご了承ください。
偽サイトにはくれぐれもご注意を!!!


引き続き。。。

航空便の運行状況などの影響でお荷物の到着が遅くなってしまう場合があるかもしれません。

フランスから発送して商品が到着するまでに1ヶ月、またはそれ以上かかってしまう場合も出てくるかもしれません。

そうでなければ、お支払い完了後、早くて2週間程でお受取りいただけると思います。

お急ぎの方はパスされてください🙏

それでも構わないとおっしゃっていただける方に、お買い上げいただければと思います。m(_ _)m

よろしくお願いいたします。


グルニエイデコのオンラインショップ

https://grenierideco.com

オーナー☆イデコ😊


PS : 最近、インスタに絞ってブログ辞めたら楽かなって思いますが、逆にブログの方が楽なのか、模索中です。

何か良いアドバイス、またはご希望があれば教えてください💝