2022年1月26日水曜日

アプトのオーバルオクトゴナルプレート と ドイツのクリームウェア

 この2点を一緒にするのも不思議な感じですが、お察しの通り時間が💦なくなってしまいました。

先程更新日の載ったメルマガお送りさせていただいております。

プリンターが壊れたため新しいプリンターを注文していましたが、今日になって決済できなかったということで(新しいクレジットカードに変えたばかりなの忘れてました💦)、発送が遅れてはまた更新も先延ばしになってしまうので、明日買いに行くことになっています。爆

だったら3週間前に買ったら良かった!

日本ではありえない、まあ私もまぬけですが。😅

そんなことはどうでもいいですね、すみません。

まずはアプトのオクトゴナルプレート。



黄釉が素敵なお品です。

使用感はでております。


角にチップが見えていますね。








表面には19世紀の切れの良い鋼鉄製のナイフでできたキズ跡。


気に入られて日常的に使われていたのでしょう。

このお皿は、アプト近郊の方に譲っていただいたもので、曾祖父さまが使われていたとのこと。
マダムもそれなりのお年頃ですので、かなり古いものなのでしょう。

裏の刻印がBremond a Aptとあります。
アプトの窯の中でも数が少ないアトリエのものだと思います。
1850年頃のプレートです。

飾るもよし、たまに使うもよし、大切にしてくださる方へ。



そして、大変珍しく美しいピシェになります。
19世紀初期だと思いますが、ドイツZELLという窯のものです。
フランスで言えばクレイユエモントローのように大きな窯だったようです。
現在でも残っている窯のようですので、そこがフランスの無くなってしまったかまたちとは違う点でしょうか。


イギリスのクリームウェア、クレイユやモントローのテールドピープ、ドイツでも憧れのクリームウェアは作られていて、イギリスのリーズ窯にそっくりなもの、クレイユにそっくりなものがあります。
ドイツに限らず、オーストリアやポーランドにも美しいクリームウェアが18・19世紀に作られていて実物は見たことがありませんが、本を見ながらいつか手に入れてみたいと思いを馳せています。笑



フォルムが少し違うのですが、はじめモントローの古いものかなと思いました。


シミが少しありますが結構きれいです。
フチにラインあります。


脚裏に刻印がなければどこのものか分からなかったでしょう。
私だったらイギリスと言っていそうです。


ZELLの刻印。
クレイユやモントローに似たグリザイユの商品も生産していたと思います。

現在では普通のセラミックの会社として生産を続けているのがすごいな、と思います。


この曲線と艶、美しいですね。
テールドピープのような軽い作りです。


手にとって見ていただけないのが残念ですが、ヨーロッパのクリームウェアも美しいことぜひ知っていただけたらと思います♪



他にも素敵なものご用意してお待ちしております❣



☆☆☆



以上のお品ものはまもなくグルニエイデコのオンラインショップでお目にかかれます💖

お楽しみに❣



オーナー☆イデコ


2022年1月25日火曜日

ムスティエ窯かトゥールーズ窯 ?18世紀 白釉にブランディーユ絵付け柄

今日はちょっと、ムスティエとトゥールーズの窯のお話を。

 

南仏の赤土にぽってり白釉、指で形がつけられたフリルのようなリムはムスティエを思わせますよね。

おそらくですが、2枚ともトゥールーズ窯のものになるのではないかと思います。

トゥールーズ窯と言っても、ムスティエから分岐した陶芸家が開いた窯です。

だからムスティエと同じ作り、似ているものが多いんです。


今回は2枚グルニエイデコのオンラインショプで販売する予定です。
まずは写真左側の詳細から。

丸くて可愛いリムです。


お話最後の方に載せますので、まずはお写真ご覧ください。







裏にサインはありません。
トゥールーズ窯のものでムスティエのように裏にバッテン(X)サインが入っているものがあります。
しばしばブルーのサインだったりします。

右側のプレートは、ムスティエの形!ですよね。

同じ職人さんだから、ムスティエみたくなるのは当然といえば当然。
ムスティエだと思う方は多いです。
そんな私も昔はムスティエだと思っていました。

もしくは、18世紀のムスティエのお皿で、この柄が存在するのかもしれません。


ドットみたいで、可愛い絵付けです。


よく見れば、ドットのように見えているものは、虫だったり笑


色が潰れていなくて繊細です。
これを見ると、ポーセリンのシャンティイ窯を思わせます。


すずらん?
これ、ほんっと素敵です。

シャンティイの職人さんだから、かな?

訳わからない方も多いと思いますが、最後にまとめて説明したいと思います。


裏はやはりサインなし。
きっとサインがあるものもあるでしょう。
ブルーのバッテンマークで。


下に赤土の素地が見えて南仏らしいお品です。



カップ&ソーサー。
フランスですので、デミタスサイズのカップとソーサーになります。

ソーサーに深さがついているのは18世紀のコーヒーがトルコ式コーヒーで下の方に粉が沈んでいるので、それを避けるためと、猫舌のフランス人には冷まして飲む習慣があり、カップの中のコーヒーをソーサーに移し替えて飲むのが主流だったようです。

だけど、ソーサーから飲むのは飲みづらいだろうし、カップから注ぐ際に溢れるでしょうし、周りを汚しながら飲む飲み物だったんでしょうかね?

しかも貴重だったでしょうから、こぼれたらもったいない!



絵付けも繊細です。

ぽってり陶器の南仏だとおおらかな作りが多いですが、絵付けだけは繊細ですね。

側面にキズや貫入見られます。

それにしても18世紀のものと考えれば大変良い状態。
残っていてくれるだけありがたいです。



きれい♪


カップの裏にYかHの小文字のサインがあります。
これは謎です。

でもシャンティイの職人さんだったら、その方のサインかもしれない?


ソーサーの中央には蝶々。

ソーサーにはサインは入っていません。


素敵💖
ですよね。






本当はガイド本勝手に載せてはいけないのでしょうけど💦
(そのうち削除するかもしれません)

ほぼ同じものガイドの中に見つけました。
Midi地方の陶器の本です。
この本ではトゥルーズ窯のものとして紹介されています。

そして、この柄ブランディーユ(小枝に咲くお花)は、18世紀のシャンティイ窯で有名な柄です。

シャンティイ城のコンデ公の為のポーセーリン窯だったシャンティイ。

ブランディーユの絵付け柄は、18世紀ベルギーのBOCHでも、フランス北部のポーセリン窯アラスにも、ファイアンス窯のトゥールーズにも見られます。他にもまだあるかもしれません。

例えば、ポントシューが憧れの的になった18世紀中頃〜後半にポントシュー風のレリーフ食器がヨーロッパ中のいろいろな窯で作られたのと同じで、ブランディーユの絵付けも流行の柄だった事でしょう。

そして、ムスティエの陶芸家だったフークは、政治的な理由でムスティエを逃れてトゥールーズに到着します。(フリーメイソンの会員だったと聞いてます)

その後、逃れたちトゥールーズで陶芸活動を再開したとのことです。(フリーメイソンとしての活動もできたようです)

という事でトゥールーズ窯はフークのムスティエが基になっています。

その上、シャンティイから来た職人たちが絵付けをしていたとしたら、なんて素晴らしい💖

ちょっと私の日本語変ですけど、ぽってり無骨な南仏のお皿にシャンティイの絵付けってすごくないですか?

確かに、シャンティイの職人さんたちが本当に来ていたとしてもずっと働いていたわけではないでしょう。

それはそれで素敵なのでしょうけど、絵付けの柄が荒いものもしばしば見かけますので、そういうのは南仏の職人さんかな、って思います。


今回のお皿2点とカップ&ソーサーは、短い間の繊細な絵付けのお品になると思います。



☆☆☆



上記のお品ものたちはまもなくグルニエイデコのオンラインショップでお目にかかれます💖


オーナー☆イデコ

https://grenierideco.com




2022年1月9日日曜日

18世紀 Moyen モワイヨン窯 ファイアンスフィーヌ お花のレリーフプレート

 今回はお借りしたお写真から、皆さんがご存知ない窯のお話を。


ポントシューのお皿かと思われた方も多いと思います。

浸透するまで何度も言いますが、皆様がポントシューだと思われているものの殆どがポントシューではありません🙏

ポントシューであろうとなかろうと、美しいものは美しいこともっと知っていただきたいと思っております。 

今回のお皿は、フランス東部、ロレーヌ地方のモワイヨン窯のプレートです。



お花の美しいレリーフですね。
リムのフォルムが特徴的といえば特徴的です。
でも見分けが難しいところです。

非常に見分けがつけにくいのですが、たまたま持っていた本の中から見つけることができました。
本の転写ができませんので、残念ですが。。。

その本にはモワイヨンMoyen窯と書いてありました。


MOYENはリュネビルとランベルヴィレーの間にあり、サンクレモンから近い町です。

リュネビル窯、ランベルヴィレー窯、サンクレモン窯といえば、ポントシューレリーフを真似た美しいファイアンスフィーヌを生産していた窯です。

モワイヨンも例外にもれず、当時の憧れだったお花のレリーフプレートを作っていたのでしょう。

見分け方はお花のレリーフとリムのフォルムですが、これがまた難しいところです。



ところで、実際にポントシューのおのレリーフってどんなレリーフなんでしょうか。

そっちも気になりますね。


とにかく、お花のレリーフはロレーヌ地方のリュネビル、ランベルヴィレー、サンクレモンなどの窯の方が多く見られるようですね。


☆☆☆



MOYEN陶器工場(1765-1782)

モワイヨンには領主のお城がありました。

リュネビルから17kmの場所に位置し、当時のロレーヌ公国であったリュネビル国営窯の税金を払うことを避けるためモワイヨンに陶器工場を建設したようです。

リュネビル窯の食器に似たものが多かったようです。

このお花のレリーフもそれで納得です。

しかしながら窯は繁盛せず1770年の5年後にはすでに衰退、ランベルヴィレー窯に買収され細々1782年まで続いたようですが、1783年に閉鎖してしまった窯です。

その後のフランス革命では多くの食器が壊されてしまったことでしょう。

今残っているものは本当に貴重です🙏


上記のお写真のレリーフはモワイヨン窯の中でもおそらく初期のものでしょう。

後期は鳥の絵付け皿が有名なようです。

一部Wikiより



お写真を貸してくださった方、面白い発見が私もできました。

ありがとうございました。


他の方も、またいろいろお待ちしております❣



ギャルリーイデコ☆イデコ