19世紀ボルドーに窯のあったダヴィッドジョンストンとジュユールヴィエイヤールのお品です。
クレミエ、ピシェ、そしてソーシエールになります。
まずはソーシエールから。
すっきりした白が素敵なファイヤンスです。
本体とソーサーが一体となったタイプです。
鷲のような頭が持ち手になっています。
鷲、かな?
ソーサーの裏にカケが見られますが、表から見た際には分かりにくいものです。
後ろ姿。
素地に黒い斑点が見られます。
窯の中で焼いた際にできたものというよりは、もともと素地に混ざっていたようです。
当時の製作方法によるものだと思います。
注ぎ口の先端は保存状態が良く、
脚裏のカケを考慮してもかなり状態の良いものになると思います。
鷲の頭にチップ(目の左上辺り)
鷲はナポレオン家のシンボルで、年代からしてナポレオンボナパルトのイメージなのでしょうか。
とても威厳のある雰囲気にも見えます。
美しいフォルムのソース用容器です。
このままコレクションとして絵になる、お花を活けても素敵だと思います。
次は白いピシェ。
こちらも六角のフォルムが威厳ある君主制の名残のようなデザインです。
釉薬の溜まっている部分にうっすら青っぽい釉薬が使われていた形跡が見られ、すっきり品のある白です。
(実際のお色は白です。青く見えることはなく、釉薬の溜まった部分が青っぽい、という事です)
茶色っぽい小さな混入物が側面にひとつ。
注ぎ口とベース近くのレリーフがカッコいいデザインです。
内側に少しシミと表面にザラツキ。
側面上の取っ手に近い部分に素地に混ざったグリーンの顔料の色。
内側にもみられるので、素地に入り込んでしまったのかな、と思います。
フチに少し釉薬のスレ。
でも大きなカケもひびも見られず、やはり良い状態です。
こちらが混入物。
何かの破片がくっついちゃったのでしょうか。
こちらは、角にスレが見られるわけではなく、やはり製造時にできてしまったもの。
こういうところが、古い物の証。
今の工業生産では見られない貴重な証です。
ちょっと分かりずらいですけど、写真中央を走る2本の栓の角張ったあたりにシミが見られます。
薄いシミです。
そして最後は、ダヴィッドジョンストンを継いだジュールヴィエイヤールのファイアンスです。
ミルクピッチャー、クレミエです。
ミルク用の小さめのポットです。
これもまた、珍しいお品。
可愛いフォルムですね。
ダヴィッドジョンストンの時代と変わり、優しい雰囲気になっています。
取っ手の角々にシミ。
フチには3点の窯キズと少しの擦れ、シミなど。
内側もシミが見られます。
注ぎ口の貫入とシミ。
先端のスレが少し。
ですが、やはり大きなカケもヒビも見られず、比較的良い状態です。
取っ手もきちんとくっついており。
フォルムが可愛いです♪
素地にはやはり黒い斑点が普通に見られます。
中央が先ほどのピシェ、一番右は人気の定番商品白いピシェです。
(あまり大きなタイプのピシェではありません。)
19世紀の、特にダヴィッドジョンストンは1834-1845年の間とたいへん短い期間の窯になります。
イギリスから700人もの陶芸家を連れてきたアイルランド移民のダヴィッド・ジョンストン、
当時の洗練された雰囲気のイギリスファイアンスに影響を受け、ボルドー窯にイギリスのデザインを持ち込んでくれたお方です。
かなりのやり手さんだったようで、早い時期にフランス人に帰化しており、窯が終わる前からボルドー市の市長さんにまで上がります。
まあ、ボルドーのように大きな都市で市長さんになってしまったら、国営だとしても窯を続ける気はなかったことでしょう。
そのあと引き継いだジュールヴィエイヤールも窯を開いていた期間は短く、20世紀を目前にして息子さんの時代に閉鎖されてしまいます。
いずれにしても、貴重なお品になるというわけです。
クレイユエモントローのライバルでもあり、少しづつ違うデザインでファンを集めていましたが、クレイユエモントロー窯に比べると生産数の少ない窯です。
この美しいファイアンスたちを大切にしてくださる方の元へ旅立ってくれたらいいな、と思っております💕
以上のお品ものたちは、次回の更新でご紹介いたします♪
更新日時はまだ未定です。
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オーナー☆イデコ