今までに数名の方からアンティークのマグカップが欲しいというご希望をいただいたことがあります。
ですが、今までフランスのアンティーク陶器ではマグカップなるものに出会ったことがありません。。。
それは薄いアメリカンコーヒーをいただく文化ではないからなのか、何かと”便利なもの”が普及しにくい国であるからなのか、よく分かりませんが。。。
でもフランスでコーヒーと言えば小さなエスプレッソコーヒー、また個人差はあると思いますが朝食に飲むミルクティーなどはマグカップではなく、ボウルでいただいているフランス人を多く見てきました。
マグよりもカフェオレボウル。
な、文化だからなのでしょう。
取っ手が付いていると便利なんですけどね。(笑)
今回ご紹介するカップはかなり大きくて、マグカップよりも大きいんです。
左から、オクトゴナルのデミタスカップ、これはエスプレッソ用。
その隣はサルグミンヌのコペンハーゲンシリーズのティーカップ。
中央はクレイユエモントローのブリュロ。
そしてそのお隣が今回の大きなカップ。
最後一番右はココア用のカップです。
まず寸胴型のカップが少ない事。
寸胴型のカップでは、キュノワ以外はデミタスカップのような小さなカップでしか見たことがなく、 ちょうどいいマグカップの大きさのものは20世紀のものしか見たことがありませんでした。
キュノワールの場合、大きな手付きのカップは飲み物をいただくマグというよりも、調味料用の計量カップ代わりに使われていたようですよ。
または油を入れて保管する用のものだったことも聞いたことがあります。
今回のクレイユエモントローの大型のカップは、ビール用のジョッキだったのではないかと想像します。
ビール用のジョッキとなると数は少ないものの、フランスのアンティークでも大きなものが存在します。
でもビール用ですから、マグカップよりもかなり大きいんですね。
ジョッキ用と聞けばこの大きさは納得がいきます。
ビール好きな方の特注品だったのでしょうか。
川のほとりで、女性がふたり。
右側の女性が手にしているものは何でしょう?
少しぼやけていて分かりにくいですね。
もしかしてマグカップ?!笑
湯気が出ているように見えるのは気のせいでしょうか。
まさかね~~~???
取っ手にも柄が入っています。
時代背景から言って昼顔かな?
反対側には男性が水から上がったかこれから水につかるのかパンツの裾を直していますね。
そして女性たちの方向を見ています。
犬も一緒に見ていますね。
背景には山も見え、自然な田舎の風景です。
内側きれいなんですよ。
使われた感は少しでているのですが、これだけ大きなカップの使い道がフランス人には分からなかったのかも?
なーんて。
きれいに残っていてくれることに感謝💕
ツヤツヤなんですよ。
内側、きれいでしょ?
製造時にできた釉薬のムラや素地のムラは見られます。
フチもきれいで、少し擦れ感が見られる部分がほんの一部だけあります。
昼顔の柄は内側にも付いています。
きれいな側のフチのアップ。
向かって正面~右側の方に製造キズや釉薬の薄めのところなどが見られます。
取っ手に製造時にできてしまった亀裂が見られます。
取っ手の下の方の付け根です。
これかなりアップですから、こうしてみると怖いかもしれませんが、オーナーは気が付かずに取っ手をガシッと持ち、普通にひっくり返したりしながら洗いましたので、すぐに取れてしまうような代物ではありません。
完全に取れたのではなく少し浮いて見えるような感じです。
ちゃんとくっついています。
気になる方は、修理などなさってくださいね。
上の方の付け根。
浮いているように見えますが、
ちゃんとくっついています。
柄のアップ。
女性ふたりの柄。
「水辺は寒いでしょう?
暖かいものでも飲みなさい」
とズロースのまま座っている女性にカップに入ったものを勧めているように見えます。
勝手な想像でしょうか?(笑)
アメリカンコーヒーだったりして。爆
フランスでのアメリカンコーヒーの薄さは、日本のコーヒーと同じくらいなんです。
だから、アメリカンと言っても濃いの。
まだパリに住んでいた時に、一度普通の日本のようなコーヒーが飲みたくて、 カフェアロンジェ(薄めたコーヒー)お願いしますって言ったら、分かってもらえなくて、私のフランス語がどうのと言うより、カフェアロンジェという言葉を知らないほどフランス人には薄いコーヒーは存在しないんだなと思いました。
そして、持ってきてくれたのが、デミタスカップに入ったエスプレッソコーヒーと、グラスに入ったお水!
「これでいいのかな?薄めて飲むんでしょ」
って、悪気なさそうに持ってくるんですよ!(*´ω`*)ぽかーん。
デミタスカップには濃いコーヒーがいっぱいいっぱいに入っているのに、 どうやって薄めろというんだー( ;∀;)
あふれるやんけ。
などなど、いろいろ経験して、今はエスプレッソとお水を頼んで別々に飲むようになりました。爆
慣れって怖いですね。
でもフランスの文化に慣れないまま住んでいるときついですから、この国。
と、話はそれましたので大型カップの状態の説明に戻ります。苦笑
「お、あっちで何やってるんだ、楽しそうだな、
おれも参加しちゃおうかな?」
わんこ「僕も~」
お、興味深々ですよ~~~
脚に小さなキズ。
ぶつかったところなのか、おわん型にラインが入っています。
浅いものです。
クレイユエモントロー。
ブルーの刻印もめずらしい気がします。
1841-1876年の間に作られたもの。
薄っすらと青っぽい釉薬の白もクレイユエモントローらしいですね💕
裏を見ても黒ずんだりしていなくて、使われた形跡があまりありません。
素地ムラが内側に見えます。
軽量カップ代わりだったかもしれません。
ビールジョッキだったかもしれません。
マグカップだった可能性もなくはない、
かもしれません。
コーヒーではなく、ハーブティーとか紅茶とか?
ブルーカマイユの美しい、大きなカップです。
マグカップはイギリスやアメリカで主流だったと思います。
イギリスのアンティークにはマグカップがあるのかもしれませんね。
フランスでは上の方の比較写真のように、小さいカップから急にこの大きさのカップになり、マグの大きさが存在していないところが不思議です。
もちろん今はフランスにもありますよ。
マグカップ♪
そしてビールはジョッキではなくグラスで飲むのがフランスでは主流なんですね。
何もかもあまのじゃくな。。。
ビールも取っ手ついてた方が便利なのにですね~~~(笑)
オーナー☆イデコ
完売いたしました♪
MERCI♡♡♡