先に申しあげておきますが、ヒビが3か所とそれを修理したアグラフの跡が見られます。
アグラフとはデコレーターが使うガンタッカーのようなもので留める技術なのですが、ホッチキスみたいに留めてある修理法です。
この修理方法も今では見られません。
ある意味貴重な記録としてご覧いただけると良いかもしれません。
ふた付きのテリーヌ容器です。
サイドから。
別のサイドから。
両サイドは同じ柄で、狩猟の様子が表されており、鹿だと思いますが犬に追いかけられております。
この狩猟の柄は伝統的な柄で、王族や貴族の室内装飾や食器などによく使われていました。
ふたの部分がウサギちゃんの形なんです。
リアルなとても渋いうさぎです。
内部。
フタは極めて良い状態です。
本体の方にヒビが3か所見られます。
貫入から入ったヒビと思われます。
うさぎのレリーフと本体の裏の様子。
本体裏の下少し左の方にカケが1か所見られます。
うまい具合に上の方の目立たない場所と左のアグラフより下の方にも打ってあります。
そのヒビをたどって下の方を見ると、貫入の大きさが感じ取れると思います。
途中で止まっております。
こんな修理方法、逆に陶器を割ってしまいそうですが、なかなか丈夫なんですよ。
不思議。
刻印の数字「2」がさかさまになっているのですが、上の写真を正面に見て「2」の上で止まっています。
こちらの写真の方が分かりやすいでしょうか。
「2」の下で止まっているようです。
逆サイドにもアグラフが見られます。
やはり貫通したヒビのアップの写真です。
アグラフ処理がされているので、ぐらつきとかはありませんが、補強された方が良いと思います。
裏は焦げ付きで黒くなった跡など。
横から。
キュノワらしいこげ茶の美しい釉薬と白い釉薬の境目がまた渋い雰囲気です。
逆のサイドから。
ツヤツヤですよ。
とても味のあるうさぎちゃん。
うさぎをテリーヌにしていたのでしょうか。。。
もう一度内側の写真です。
右上は一番小さめ、右の下が3つの中では一番長めに入ったヒビで底まで届いています。
右の上と左のヒビは横で留まっています。
ヒビはあるものの、輝きの素晴らしい美しいお品です。
☆☆☆☆☆
オーナー☆イデコ